シナリオと言えば、映画やドラマとか想像するように作者の思いや伝えたいことがまとめられたものです。
物語の場面や構成、人物の動き・せりふなどを書き込んだものです。
経営戦略シナリオも同じく経営者の経営戦略を物語のように全従業員の末端まで伝えることを目的にしたものです。
理念や方針、財務指標などを定期的に現場の各部署へ配布することを大切ですが、なかなか従業員の末端まで伝えることは難しいものです。
日頃、経営に参加しない事業を陰で支え末端を担っている清掃員や調理師、設備員などを事業経営に巻き込むことは容易ではありません。
しかし、シナリオ化することで関心を持ち解りやすく理解してもらうことが可能になります。
【シナリオ化の効果】
例えば幼いころに誰もが親から聞かされた「桃太郎」や「浦島太郎」の物語は、時間が経過しても記憶に残るように忘れません。
経営戦略もシナリオ化することで、財務資料や会議資料を用いなくても事業所の現状が伝わる効果が得られます。
【シナリオ化具体例】
例(1億円プレイヤーになるための親子の戦略シナリオ)
Aさんは親として、自分の子供B君は優秀なサッカー選手になって、1億円プレイヤーになってほしいと願っています。そのためには名門クラブチームに入る必要があり、現在所属している名門クラブチームでコーチの指導を受け練習を行いチームで3番目以上の成績を収める必要があります。
このようにシナリオ化すると、子供でも理解することができます。
①経営目標達成指標(KGI)⇒サッカーの1億円プレイヤー
②業績評価指標(KPI)⇒チーム内で3番目以上の成績
③重要成功要因(CSF)⇒名門クラブチームに入ること
④アクション(Act)⇒コートの指導を受け練習する
戦略をシナリオ化して職員へ説明することで、個々の職員が何を目指してどのように個々の従業員の職務を遂行すればどうなる・・・・・ということが理解できます。
事業所の年度毎の指標としては・・・・・・
経営目標達成指標(経常利益額、新規利用者数、職員定着率などのアウトカム指標)
業績評価指標(退職者数、欠勤者数、人件費やその他コストなどのプロセス指標)
重要成功要因(利用者クレーム数、事故報告書数、利用者満足度などのアウトプット指標)
アクション(会議で決定したアクションプランの施策)
このように自社の指標をシナリオに落とし込んで作成します。
すると「何をどのように、どうすれば事業所の成果が得られる」・・・・・と従業員が理解できます。
さらに、これを図式化すると伝わりやすくなります。
シナリオの図式化は次回に解説します。
最後まで読んで頂き有難うございます。
感謝します。
参考になれば幸いです。