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第1回:介護事業所の生産性向上はPDCAサイクルを回すこと【事業所と従業員の成長につなげる方法】

全国の介護事業所が新型コロナの影響で利用者が激減し、倒産や休業に追い込まれているようです。202017日、東京商工リサーチはレポートを発表しました。その中では、2019年に倒産した介護事業者の件数は、過去最多となっていた2017年と並ぶ111件であることが判明。

 

 

倒産した事業者の内訳は、「訪問介護」が58件、デイサービスをはじめとした「通所・短期入所」が32件、「有料老人ホーム」が11件、そのほかが10件。

いずれも、小規模から零細規模の事業者の倒産が大半を占めている状況です。

 

しかし、一方で私の知る小規模から零細規模事業所では、しっかり施策を考え柔軟に対応している事業所も存在しています。

逆に小規模であるから迅速に対応できる行動力や機動力を生かし、生産性を維持して環境に適応できるともいえます。

 

 

 

出典:『2019年「⽼⼈福祉・介護事業」倒産状況』(株式会社東京商工リサーチのレポートを元に作成)

今回から5回シリーズで、私がコンサルしている介護事業所や障害者事業所へアドバイスしている内容をまとめ、ブログで掲載することにしました。

主な内容は次のテーマです。

 

第1回:事業所の生産性を上げるために必要な3つの指標

 

第2回:PDCAサイクルを回すための具体的な指標

 

第3回:経営戦略のシナリオ化

 

第4回:経営戦略の図式化

 

 

第5回:事業所と従業員の成長に必要なシステムとは

 

第1回は「事業所の生産性を上げるために必要な3つの指標」です。

 

従業員にとって目標やゴールが明確に示されていない中で働くことは、ゴールのない持久走を走っているようなものです。

 

労が報われないと人はやる気を削ぎますよね。

 

 

「頑張ったのに報われないのはなぜ?」・・・・の問いに答えることが出来なければ・・・・・

 

従業員のモチベーションは低下し事業所の生産性へ影響を与え、収入より支出が増え経営者の首が回らない事態になります。

 

首が回らない事態を回避するためには、生産性を向上するためにPDCAサイクルを回しましょう。そして、従業員の問いに明確に数値で答えることです。

「何をどの程度改善すれば・・・・・このような結果が期待できる」について数値で示すことは、

大切なことだと思うんですけど・・・・・・・

如何でしょうか?

 

 

介護事業所でPDCAサイクルを回すとどのようなメリットがあるのか?

 

【メリット】

・生産性を可視化できます。

・経営の課題が明確になります。

・業務改善を継続的に行えます。

・従業員の労が報われモチベーションが上がります。

 

・組織全体の価値観が一致してベクトルが重なります。

では何を指標にPDCAサイクルを回すのか?

次の3つです。

 

・ストラクチャー指標

 

・プロセス指標

 

 

・アウトカム指標

それぞれの指標を具体的に説明すると・・・・・・

 

ストラクチャー指標とは

介護事業を実践するための、経営層のコミットメントや、人材・組織体制を評価する指標。

 

アウトカムにつなげるための様々な施策を立案し実行力ある組織体制を事業所内に設置して機能しているか確認する指標です。

 

プロセス指標とは

介護事業を実践するにあたっての様々な施策が機能しているかどうかを判断する指標。

 

様々な施策とは業務改善や介護サービスの質向上を目指した施策が有効かつ効率的だったのか確認する指標です。

 

アウトカム指標とは

経営の質を評価する指標であり、適切なストラクチャーにおいて、提案された施策が適切に機能し実践した結果、従業員のモチベーション向上、生産性向上につながり事業所の利益に結びついていることを評価する指標。

 

 

ストラクチャー指標やプロセス指標のすべてが目標達成したならば、事業所が期待する利益につながります。

 

その一連の取り組みの成果を検証する際、現状の取り組みの評価を次の評価に生かせるようPDCAサイクルでしっかりと回しながら様々な施策を機能するようなシステムを事業内に構築することが重要であると考えています。

 

新型コロナの感染拡大で、益々事業所の経営が困難な状況にあると思います。

 

利用者の減少や感染対策など様々な問題があると思いますが、

みなさんの事業があるから社会は回っています。

 

政府も様々な支援策を講じていますので、出口に向かって歩んで行きましょう。

 

最後まで読んで頂き有難うございます。

 

感謝します。

 

参考になれば幸いです。