新型コロナウィルスにメディアが注目していますが、私たちは新型コロナも含め多くの細菌やウィルスと共存しながら生き残る方法を考える必要があります。
今回は免疫力を高めるに、お腹の中にお花畑を作ることについて解説します。
まずは人間の健康維持・増進に欠かせない免疫力についてご説明します。
免疫とは
「疫(病気)を免れる力」のことです。免疫は一度病気にかかったら二度とかからない、あるいは抵抗ができる生体反応です。インフルエンザのウィルスや病原菌などの体にとっての異物が体内に侵入すると、体の免疫システムが働き、侵入してきた異物から体を守ってくれます。さらに、体内で発生したがん細胞などにも対応します。つまり、免疫力を高めるとストレスから解放され、様々な細菌やウィルスが体内に侵入しても内側からブロックする体を手に入れることが出来るのです。
近年では、免疫力を高めるために腸が重要な働きをしていることが明らかになってきており、世界中の研究者の注目を集めています。
そこで、世界が注目しているのが、腸内フローラです。
私たちの腸内には、多種多様な細菌が生息しており、それらはなんと、1,000種1,000兆個以上。
特に小腸から大腸にかけて生息しており、これらの様々な細菌がバランスをとりながら腸内環境を良い状態にしています。
顕微鏡で腸の中を覗くと、それらはまるで植物が群生している「お花畑([英] flora)」のようにみえることから、『腸内フローラ』と呼ばれるようになりました。
腸内フローラの役割
1. 食べた物を栄養物質に変える。
2. 病原体などから体を守るため腸のバリアを作る。
3. 腸内フローラのバランスを保ち健康を維持する。
お腹のお花畑で暮らす細菌の種類
・善玉細菌(正義の味方)
・日和見細菌(強い方に味方する八方美人)
・悪玉細菌(悪の根源)
お腹の中では常に綱引き大会をしている状態!!
常に善玉菌が勝利していると健康が維持できるが、悪玉菌が勝利すると免疫力が低下して病気になります。
便秘や下痢が続いている方は、悪玉菌が優位に働いている可能性大で注意。
善玉菌を勝利に導くお助け食品
ヨーグルトやキムチなどの発酵食品の他にも、食物繊維、オリゴ糖などの栄養素は、腸内細菌の活動を改善して、免疫力を高めてくれますので、積極的に摂取するようにしましょう。
また、免疫細胞そのものを活性化させるために必要な栄養素もあります。タンパク質は、細胞の主要な成分ですので、豆腐、肉、乳類などの良質のタンパク質を摂取することで、免疫細胞の働きを良くしてくれます。さらに、ビタミンAやビタミンEなどのビタミン類、亜鉛やセレン、銅、マンガンなどのミネラル類、コレステロールなども、免疫細胞の強化には必須の栄養素です。最近ではドラックストアーなどでも補充サプリメントとして購入できますので、利用すると良いでしょう。
効果が期待できると言うだけで、大量に摂取しても栄養のバランスを崩すだけで意味がありませんので、重要なことは、免疫力を高める効果のある栄養素を意識しながらも、バランスよく食べることが一番大切です。
免疫力を高める効果が、特に高い食品をご紹介します。
【きのこ】
きのこには、腸の働きを良くする食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれていますので、免疫力を高めるためにはおすすめの食品です。さらに、それだけではなく、きのこに含まれる食物繊維であるβグルカンという成分は、消化吸収されずにそのまま、腸の免疫細胞に作用するので、免疫力を高める効果があると言われています。
【発酵食品】
納豆、みそ、しょうゆ、漬物、ヨーグルト、キムチなどの発酵食品には乳酸菌や納豆菌などの善玉菌が多く含まれており、腸内の善玉菌を増やす効果があります。ただ、摂取しても胃酸により死んでしまう細菌もありますが、その死骸は腸内の善玉菌のエサになるので間接的に善玉菌を増やすことにつながるのです。
【補足】
栄養バランスを整え免疫力を高めるためには、ストレスをためないように運動と休息も重要です。