新型コロナウィルスの感染対策による自粛要請が全国で広まる中、懸念されることが免疫力の低下です。外出する機会が少なくなると日光浴で得られるビタミンDの不足が懸念されます。
夏なら木陰で30分、冬なら手や顔に1時間程度、日に当たるだけで十分ですが、新型コロナウィルスの影響で自宅で過ごす時間が長くなり外出することが少なくなりました。
ビタミンDはカルシウムの吸収をよくするために、骨をつくるうえで欠かせない成分なので、健康維持にも影響を与えます。
今回は、食事でビタミンDを補う方法についてご説明します。
ビタミンDの役割
ビタミンDの生理作用の主なものに、正常な骨格と歯の発育促進が挙げられます。また、小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収を促進させ、血中カルシウム濃度を一定に調節することで、神経伝達や筋肉の収縮などを正常に行う働きがあります。
ビタミンDの1日の摂取基準量
厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準(2020年版)では1日の摂取の目安量が、18歳以上の男女ともに8.5㎍ (マイクログラム)と言われています。
ビタミンD不足による身体影響
ビタミンDが欠乏すると、腸管からのカルシウム吸収の低下と腎臓でのカルシウム再吸収が低下し、カルシウムが不足して低カルシウム血症となります。そのため、骨の軟化がおこり、成人、特に妊婦や授乳婦では骨軟化症になります。また、小児の場合は骨の成長障害が起こり、姿勢が悪くなったり、足の骨が曲がったり、くる病になったりします。骨量が低下している高齢者の場合は、骨粗鬆症になりやすくなり、骨折による寝たきりのリスクが高くなります。
ビタミンD過剰摂取の問題
ビタミンDをとりすぎると、高カルシウム血症が起こり、血管壁や腎臓、心筋、肺などに多量のカルシウムが沈着します。そのため腎機能障害や食欲不振、嘔吐、神経の興奮性の亢進などの症状が現れます。
ビタミンDを多く含む食品
ビタミンDを多く含む食品は、魚類やきのこ類です。ビタミンD2では、きくらげ、本しめじ、しいたけなどのきのこ類に含まれ、ビタミンD3では、あんこう、いわし、にしん、さけなどの魚介類に豊富に含まれています。また、卵黄やバターなどにも含まれます。
ビタミンDは脂溶性なので、脂質を含む動物性食品から摂取したほうが吸収されやすいのですが、きのこ類でも炒め物や揚げ物にして油とともに摂取することで吸収率を上げることができます。
最近ではコンビニで食事を準備する人も増えています。ちなみにコンビニの商品でお勧めなのは、鮭やしらす、乳製品です。
サプリメントも豊富にありドラックストアーなどで販売されています。まずは、毎日の食事から野菜、果物、乳製品、魚などを食品から取り入れるように心がけ、サプリメントは補助として利用しましょう。